【午前3時の娯楽亭】
リューンにある宿のひとつ。
本来は宿の名が示す通り、客にテーブルゲーム、カードゲームなどといった娯楽を提供するための娯楽宿であった。
宿の親父が「最近流行りだからうちも冒険者宿やろうぜ!」と言い出し、集めた6人で冒険者宿を始めた。
最初のメンバー6人は、元々娯楽宿に所属するギャンブラーもいれば、冒険者宿になってからやってきた者も存在する。
宿のリーダーに選ばれたリカルドは、冒険者ド素人である。冒険者をやるのにはどちらかといえば反対だったが、親父にゴリ推されて渋々リーダーを引き受けた。
ただ、リカルドは、自分と生死を共にする冒険者を選ぶ際に、条件を一つだけ課した。
それが、「リカルドとカードゲームをすること」である。
カードゲームで生きてきたリカルドは、テーブルの上の真剣勝負で、相手の人間性が分かると考えている。勝ち負けはあまり関係がない。とにかくリカルドは、やってくる冒険者にひたすらカードゲームを挑むのだ。