昨日寝る前にふと思いついて、ばっと書いてみたSS。
逢う魔が時亭のキャラを把握するのにもいいかなと思ってやってみました。
駆け出し冒険者にはちょうどいい程度の、なんでもない依頼だった。
最近新しくできた逢う魔が時亭は、今のところ所属している冒険者がたったの一グループしかなかった。
リエトゥス一行である。
まだゴブリン退治と荷物の護衛くらいしかしたことのない程度の低い冒険者たちで、彼らに依頼を持っていく利点といえば、いつでもヒマをしているのですぐにでも冒険に出ることができるくらいだった。
今回の依頼は、森の中の猟師小屋にアジトを作った盗賊を、捕縛してほしいということだった。
盗賊は三人組で、男が二人、女が一人。近隣の村々から金品や食料を盗み、暴力を振るってくるという話である。
森はそれほど深くないのだが、最近になってゴブリンが出るようになり、猟師小屋もそれで破棄されたらしい。盗賊たちはゴブリンなんかには目もくれず、うまい位置にある猟師小屋を、ちゃっかり宿にしているのだった。
「ついでにゴブリンも追い払えば、報酬を上乗せしてくれるということだったけど…」
リエトゥスは斧についた血を適当にぬぐいながら言った。
「案外、おいしい仕事かもしれないよ。俺たちが一番でよかったね」
森に入って少しして現れたゴブリン二体を、うまく片付けたところだった。
「盗賊どもに感づかれて、逃げられでもしたら面倒だぜ。先に猟師小屋の盗賊を片付けたほうがいい」
ギゼがとんとんと鉄パイプで肩を鳴らして言う。
「そうですね。追加報酬は欲しいですけど、今、無理にこちらからゴブリンを探すことはありません。とりあえず盗賊を捕縛してしまいましょう」
ジミィも賛成したので、リエトゥスには否定する理由はなかった。
わかったと頷いて、さっそく先頭に立って歩こうとする。
「待ってくれ」
ガロードが立ち止まっていた。黒い瞳はゴブリンの死体に向けられている。
「ガロさん?」
ジミィが声をかけると、ガロードはゴブリンの死体の横に大きな身体を屈ませた。
「祈っていく。先に行ってくれ」
ガロードは十字を切って手を組み、目を閉じた。
「……はぁ!?」
ギゼが唖然として、たちまち呆れた顔になる。
「てめぇ、いちいちゴブリン相手に祈っていく気か?」
「ギゼ。よしなよ」
ヒュンバートがギゼに声をかけたが、ギゼは苛立った調子で鉄パイプを地面に向けた。
「さっきも言ったろ。盗賊どもに逃げられたら面倒なんだよ。早くしろ」
「先に行っていいと言った」
「回復役を置いていけるかよ」
ガロードは少し口を挟んだだけで、すぐにギゼを放って祈りの文句を紡ぎ始めた。
ギゼがイライラと鉄パイプで地面を叩く。ギゼは、せっかちで怒りっぽいのだ。
「祈る時間くらいいいじゃないですか」
ジミィが困ったような笑顔で穏やかにギゼを嗜めたが、ギゼはやっぱり早く先に行きたいようだった。
「そうはいかねえよ。俺は早く終わらせて、安全を確保してェんだ」
「僧侶相手に説教することほど無駄なことはないと思うけどな」
自分には関係ないような顔をして、ヒュンバートがぽそっと言った。
「リエトゥス、てめぇからも何か言ってやれよ」
ギゼがリエトゥスを睨もうとすると、さっきまで突っ立っていたところにリエトゥスはおらず、彼は獣道の隅にあった花を見つけていて、摘んだりしているのだった。
ギゼはため息をついて、意見を求めて、仕方なくルシェハイトを見やった。ルシェハイトは、
「何、俺は多少時間を取られたところで苛立つような、狭量な男ではない」
と、涼しい顔で言った。
結局、ガロードの祈りに反対なのはギゼだけで、ギゼはますます苛立つのだった。正論を言っているのは自分のほうのはずだという確信もあった。ギゼにとって、死者に祈るなどということは、まったくもって生産性の無い、愚劣な行為なのである。
ガロードはそれから少し祈っていたが、やがて立ち上がって、待たせたな、と言った。
「まったくだぜ。てめぇ、これから会う妖魔全部にそうやって祈っていく気か?」
「………………」
「てめぇは蚊を殺しても祈ってんのか?」
「蚊の死体に祈ったことは無ぇが、それが問題ならこれからは蚊にも祈る。それでいいだろ」
「よかねぇよ!」
ギゼは高い位置にあるガロードの胸倉を掴んだ。
「冒険者やるってんなら緊張感を持てっつってんだよ! のんきに祈ってる場合か!?」
「……………………」
ガロードは無言で、長い睫毛の奥からギゼを真っ直ぐ見ていた。
ギゼとガロードはしばらく睨み合っていたが、ジミィがまぁまぁと二人を宥めるばかりで、パーティのメンバーはそれを静観している。やがてリエトゥスが、摘んだ花をてんでに弄びながら、
「まあ、いいじゃない。何か言い争うなら、歩きながらにしよう。先に行こうよ」
などと気ままに言うのだった。
それ以降、ゴブリンの気配は特に無かった。まさか森の中にいるゴブリンが二匹だけだとは思わなかったが、盗賊に出会うまでにそれほど時間を取られないのは、(少なくともギゼにとっては)幸運だった。
しかし、猟師小屋が見えたところで一同は「それ」に気付いた。
猟師小屋の入り口に、ごろんと何かが転がっていた。
小屋の扉は開いていて、その周囲がバケツで水でもぶちまけたかのように濡れていた。
リエトゥス一行は、その様子を見て少しずつ足を緩め、やがて誰からとも無く立ち止まった。
小屋の周囲はしんとしていたが、一見して異常であることは確かだった。
猟師小屋の入り口は血塗れだったのである。
まだ乾いていない血溜まりの中に、上半身だけの男がいて、何事か呻いている。
目玉が片方潰れていて、左腕が千切れて傍らに転がっていた。
「た…たすけ…」
と、微かに聞こえる。
「おい!」
リエトゥスがすぐに駆け寄って行った。ガロードとルシェハイトがすぐに続いたが、残りの三人は、冷静だったか怖気づいたかは言わないが、リエトゥスたちとは少し時間を置いて、慎重に歩み寄った。
「どうした!? 何があったの!?」
リエトゥスが、白いセーラー服が汚れるのも構わず、上半身だけの男を抱え上げた。
そしてすぐにはっとした。男は、依頼書に書かれていた盗賊の人相書きそっくりだった。
「お前…盗賊…!?」
リエトゥスが戸惑っている間に、男はリエトゥスの腕の中で息絶えた。元より、上半身と下半身が離れていて、長く生きていられるわけがない。リエトゥスはしばらく男のことを揺すっていたが、やがて諦めて血溜まりの中に彼を横たえた。
「おい…」
ルシェハイトが、そっと口の前に長い人差し指を添えた。黙れ、という意味だとすぐに察して、リエトゥスとガロードは黙り込んだ。
――ぐちゃ……ぐちゃ……
開いている扉の奥から、何か音が聞こえた。
――ぴちゃ……ぐちゃ……
リエトゥスが立ち上がり、斧を構えながら、そっと猟師小屋に入っていく。
足元の血溜まりがいやでもぴしゃりと音を立てて、リエトゥスのデッキシューズを赤く染めた。
「――誰かいるのか!」
猟師小屋の奥を見て、リエトゥスは瞳を大きく見開いて、声を――上げる前に、奥から現れた巨体に掴みかかられ、その勢いで猟師小屋から巨体と共に飛び出した。
「リエトゥス!」
咄嗟に入り口から飛びのいていたガロードとルシェハイトが拳と剣を構える。
慎重に歩み寄っていた残りの三人もすぐに陣形を取って、武器を抜いた。
「お、お、お、オーガです!!」
賢者の杖を握り締めたジミィが叫び声を上げた。
はっとして取っ組み合っていたリエトゥスが巨体を見上げると、緑の肌に、ぎょろついた目の、巨大な食人鬼だとすぐに分かった。
オーガの巨大な口周りは真っ赤に染まっていて、端から少し肉らしきものが飛び出していた。リエトゥスは目を逸らさずに斧を握り締めたまま息を呑んだ。
――リエトゥス一行は、オーガと戦うのは初めてである。
この森にオーガが出るという情報も無かった。最初に出会った以外のゴブリンはこのオーガに殺されたのかもしれない。
そして猟師小屋の中にいたはずの盗賊たちがこのオーガの昼食になったのも、もはや自明のことであった。
「ぬうん!」
近くにいたガロードが迷わず踏み出してきて、巨漢のガロードよりさらに巨大なオーガに、果敢にも立ち向かっていった。リエトゥスを掴んでいるオーガの腕を目掛けて、気迫を込めた拳を叩き込む。
オーガの巨体が揺れて、リエトゥスを取り落とした。リエトゥスは地面にべたっと尻餅をついたが、急いで立ち上がった。後ずさるようにして距離を取る。その間に、ガロードはオーガと真正面から取っ組み合っていた。
「ぐ……」
しかし、人並み外れた怪力を持つガロードであっても、流石にオーガには敵っていなかった。徐々に体勢を崩されて、ぐおんとオーガに腕を振り回されると、猟師小屋の壁に叩きつけられた。
その隙にリエトゥスが駆けていって、勢いをつけて飛び上がり、思い切り力を込めて斧を振り下ろす。
リエトゥスの斧はガロードに気を取られていたオーガの右腕を奪って、そのままの勢いで地面にどかりと突き刺さった。一拍遅れてぼとりと右腕が落ちる。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
雄叫びを上げて我武者羅に左腕を振り回すオーガ。リエトゥスがその腕の餌食になる前に、目を凝らさなければ分からないほどの細かな矢が飛んできて、オーガの目に突き刺さった。オーガが咄嗟に左腕を目元に運ぶ。ヒュンバートの持つ射出武器の矢である。
「リエトゥス! 早くこっちに!」
射出装置を構えたままのヒュンバートの声が聞こえてきて、リエトゥスは転がるようにオーガの傍から離れた。オーガはすぐに正気に戻り、逃げ回るリエトゥスを追いかけてくる。
「『棘針の筳』!」
凛、としたよく通る声が響いて、草と砂利だけだった地面がたちまち水色に染め上がっていった。
ルシェハイトの硝子魔法の一種である。オーガの周囲の地面は尖った硝子に埋め尽くされ、構わず一歩踏み出したオーガの足に何本も突き刺さった。硝子は現れてすぐに消えるが、オーガは痛みで悶絶する。オーガが一瞬足を止めた隙に、
「『ミアスマ創造』!」
ジミィの賢者の杖が閃いて、オーガの身体を魔方陣が包み込んだ。
『ミアスマ創造』は、対象の体内に毒を生成して動きを止める錬金術だ。呪縛毒に蝕まれたオーガが緩やかに動きを止め、その場に蹲る。
蹲ったオーガに、たちまち間合いを詰めたギゼが鉄パイプを振り被って襲い掛かり、その頭を勢いよく叩き割った。
オーガは呻き声を上げると、ごろりとその場に転がった。
「………………」
息を詰めて一同がオーガを見守る。動き出す気配は無かった。
リエトゥスが恐る恐る近づいて、斧でオーガの首を斬り落とした。さすがにこれで生きている生物はなかなかいないだろう。
「やっっ…ったー!!」
オーガの生首を振り回してリエトゥスが喜びの声を上げた。よっしゃあ、と鉄パイプを持ったままギゼがガッツポーズして、そのまま手近にいたリエトゥスと手を叩き合った。
「やりましたね!」
ジミィとヒュンバートが頷き合う。
ルシェハイトは剣を収めると、壁に激突して膝を付いていたガロードに手を貸して、彼を立ち上がらせた。
一同は互いの健闘を一通り称え合うと、息を整えて、猟師小屋のほうを見た。
パーティ全員で揃って、猟師小屋を改めて見やる。
猟師小屋の中も血に染まっていて、テーブルの下に頭がひとつ、ベッド脇に男の遺体がひとつ、転がっているのが見えた。
テーブル下の首を見てみると、確かに盗賊の人相書きにあった女だった。確認するまでもなかったが、念のためベッド脇の遺体も調べてみる。盗賊の最後の一人に違いなかった。
「オーガに襲撃されて殺されてしまったんですね…」
ジミィが口を手で押さえながら小さな声で言った。うん、とリエトゥスは努めて冷静に頷いた。
ヒュンバートが「捕縛はできなかったけど、まあこれなら一応報酬は貰えるかなぁ」と、頭の裏で手を組みながら顔色ひとつ変えずに言った。彼は努めなくても、いつでも冷静である。
「そうだな…帰ろうぜ」
ギゼが、もう死体は見ていたくないとばかりに言って、小屋を出て行こうとする。
しばらく猟師小屋に置かれた日用品を見ていたガロードが、振り返って、
「先に帰っていてくれ」
と言った。
「…………………」
ギゼがうんざりした顔になる。ガロードが何をする気なのか、ギゼにはもう分かっているようだった。というか、もう、パーティ全員気付いていた。ガロードの目は、壁に立てかけられたスコップを見ていたのだから。
ざく、ざく、と、黙々と穴を掘るガロードを、一同は黙って見つめていた。
まだ日は高く、暑いほどの陽気だった。ガロードは汗を流しながらスコップを地面に突き刺しては掘り返して、脇に土を積んでいった。
リエトゥスたちは座り込んでガロードの挙動を見守っていたが、やがてルシェハイトが思いついたように立ち上がって、ガロードの横へ行った。
「貸せ」
「………?」
「墓穴というものを掘ってみたいのだ」
ガロードは黙ってルシェハイトにスコップを手渡した。ルシェハイトはスコップを舐め回すように見てから、穴の傍らに屈み込んだガロードに気付いた。ガロードは、素手で地面を掘り進めていた。
「……………貴様、そのまま素手で掘るつもりか?」
「二人でやったほうが早ぇだろ」
「………………………」
ルシェハイトは成程、と言って、眺めていたリエトゥスたちのほうを振り返った。
「リエトゥス。来い」
「ん……? 何? 俺も手伝う?」
リエトゥスが走り寄る。
ルシェハイトは迷わずリエトゥスにスコップを手渡すと、
「貴様がスコップを使って掘れ。俺も素手で掘ってやろう」
ガロードの横に膝を付いて、素手で穴を掘り始めた。
「三人でやったほうが早いに決まっている」
ルシェハイトは、白い端正な指がたちまち土で汚れていくのも構わずに、穴を掘っていた。
リエトゥスは二人の手にスコップが当たらないように、慎重に、なるべく多く土を掬うように大胆に、穴を掘り進めるのを手伝った。
土まみれになった三人を見ても、残りの三人は手伝おうとはしなかった。
ジミィは邪魔になる自信しかなく、ヒュンバートは興味がなく、ギゼは他人の墓穴を作る手伝いなど、したくないのだった。
墓穴は、なんとか掘り終えることができた。ガロードは二人に礼を言うと、猟師小屋から男の遺体を担いで、墓穴へと運んでいった。リエトゥスはガロードを手伝うために、猟師小屋の入り口にあった死体を運ぶことにした。
死体の、零れ落ちたように残った左腕を、ひょいと持ち上げると、それはリエトゥスが思ったよりも軽かった。
リエトゥスは黙って、左腕を墓穴に放り込んだ。ガロードが女の首と、入り口にあった残りの上半身を墓穴へ放り込み、無言のまま土を被せた。
リエトゥスは言った。
「俺、驚いたよ。人の腕ってあんなに軽いんだ」
ガロードは黙って聞いていた。
「釣り上げた魚を持ち上げるのと全然違うんだね」
生きた魚を釣り上げたとき、魚の口をしっかり掴んで、持ち上げたときの感触を思い出した。ざり、と氷の中から死んだ魚を持ち上げるときともそれは違った。それらは、捕食される側同士同じ重さをしていた。ただ、リエトゥスが持ち上げた左腕は、本当ならば生きてリエトゥスに捕われるはずの腕だったのだ。左腕の持ち主の無意味な死が、魚よりも軽かったことは、リエトゥスを驚かせたのだった。
ガロードはすぐに土を被せ終えて、そこら辺にあった適当な石をどすんと一つ置き、座り込んで祈り始めた。
リエトゥスは祈りの文句を知らないので、さっき摘んで荷物袋に放り込んでいた花を取り出して、申し訳程度の墓石の前に置くと、両手を合わせた。その横で、ルシェハイトが、腕を組んで、いつも通りの不遜な佇まいで、静かに目を閉じていた。
「茶番だぜ」
死を悼む三人を眺めながら、ギゼがぼそりと呟く。
「あれが終わったら今度はオーガに祈るんだろ。なあ、なんで人間の死体には墓を作ってやるのに、ゴブリンやオーガは放置なんだ。ありゃ差別じゃねえのか? …墓を作れってんじゃないぜ。ただ、神とやらはそうやって生物を区別するもんなのかね。どうなってんだ、教会ってのは。俺には分からねえよ」
「神を信じてないのに神を批判するのは理不尽ですよ」
ジミィが苦笑する。ギゼは黙り込んだ。
「…テメェは祈らねえのか?」
ふとジミィにギゼが尋ねると、ジミィは少し悩んで、「念のため祈っておいたほうが、寝覚めがいいですかねえ」とのんきに言った。ギゼが呆れ顔でしっしと手を振ると、「じゃあちょっと祈っときます」と、気軽な様子で墓へ駆けていった。
「ギゼは面白いことを言うなぁ。蚊にも墓を作らなければ差別とか言うのか?」
ヒュンバートが、猟師小屋の壁に寄りかかったまま、けらけら笑った。
「蚊? ……ああ、さっきの話か」
「ゴブリンたちにも、蚊にまで墓を作ってたら、この世は墓だらけになっちまうよ」
「人間にいちいち墓を作ったって、墓だらけになっちまわ」
ぶすっと仏頂面になってギゼが言うと、ヒュンバートはくりっとした目をギゼに向ける。
「大丈夫さ。ガロードも、今は、場所と、時間があるから、墓を作っているだけだ。ゴブリンやオーガの墓を作らないのは、どこかで区切りをつけないと、本当に際限なくなるからさ」
ヒュンバートは訳知り顔で、かつ適当に言った。
ギゼははーっと長いため息をついて、「もういい」とヒラヒラ手を振った。
結局ヒュンバートもギゼも、互いに神学に対する思考が浅いのだった。
「待たせたな」
ガロードたちは祈り終えてギゼたちのほうにやってきた。ガロードは、満足したようだった。
「…ああ」
ギゼはぶっきら棒に答えて、さっさと帰路に着き始めた。ヒュンバートも壁から背を離して、ギゼに続く。
リエトゥスが走っていって、ギゼを追い抜いて先頭に立った。
リエトゥスは自分のことを過剰にリーダーだと思い込んでいるので、いつも先頭にいなければならないと思っているのである。
残りの三人も、もう未練は残さずにさっさと後に続いた。
暗くなる前には逢う魔が時亭に帰れるだろう、まだ、太陽は沈みそうにはなかった。
【END】
こういうのって書けるの初期のうちだけだよな! と思って一気に書き終えました。
基本的にガロードが書きたくて考え始めたSS。敬虔な教会関係者がPTにいたらやらせたいのは、やっぱり死者への祈りと死体の始末ですよねー!
途中から、あれこれガロードだけじゃない、_不心得者のギゼも書けるし、墓穴を掘るのを手伝いそうなルシェハイトも書ける! いやそれどころか戦闘シーンも書けるぞ!? っていうか全員書けるんじゃね!? ってなって楽しくなってました。
一応全員どんなキャラなのかは書けたかなーと思いました。もっと洒落た終わり方があったんじゃないかとは思いますが、一応書きたいことは書いたので満足しています。
一番悩んだのは、ガロードはゴブリンやオーガには墓を作らないのか? という部分です。
作らないと決めているのなら何故作らないのか? 教義の外なのか?
宗教のことには詳しくないのでその辺りのことはよく分からないのです。でも、祈りはするだろうなあって。結局ヒュンバートの言葉通り、どこかで区切りをつけないとやっていけないからなのかもしれない。その辺りはガロードはドライなのかもしれないなあ。
案外キャラがブレなくておぉ…という感じでした。逢う魔が時亭は、新米だけど落ち着いてるというか、比較的全員度胸がある印象があります。年齢ですかね…
レベル10になってもわーきゃー言ってるハロウィン宿とは違うんだな…どっちも好きです!!!!!
ありがとうございました。